しょうもない怪談シリーズ:その8「丘について」

友人と夜のドライブをしていた時のことだ。

見晴らしの良い丘の上で車を停めて、夜景を眺めていた。

「この丘、昔から何か出るって噂があるんだよね」と友人が言った。

「へぇ、どんな?」

「丘についての説明をしてくる霊が出るらしい」

「は?」

その時、車の窓ガラスが曇り始めた。指で文字が書かれていく。

『丘は、周囲の平地よりも高く盛り上がった地形のことです』

「うわあああ!」

慌てて車を発進させたが、バックミラーに映る後部座席に透明な何かが座っていた。

「一般的に山よりも標高が低く、なだらかな斜面を持つのが特徴です」

その声は最後まで聞こえ続けた。

「日本では標高200メートル以下の高まりを丘と呼ぶことが多いですが、厳密な定義はありません」

友人と顔を見合わせた。

「...勉強になったな」 「うん、ありがとうございました」

丁寧にお礼を言うと、霊は満足したのか消えていった。

その後、地理のテストで丘の問題が出た時、僕らは満点を取ることができた。

感謝している。